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igglepiggleのロンドン備忘録

MBA留学中に感じたことをつらつらと

子供の成長と70の法則

今日うちではこんな会話が行われた。

僕「いやー、最近うちの子の成長は著しいね。今日一日で3%くらいは成長したんじゃない?

妻「えー、3%ってほんのちょっとじゃん」

僕「3%を舐めちゃいけない。毎日3%ずつ成長したら何日でもとの2倍になると思う?

妻「えーっと、、、 (中略)

 

1.032乗は1.0609、うんだいたい1.06

1.033乗は1.092727、うんだいたい1.09

1.034乗は1.12550811、うんだいたい1.12

 

だから1日経つと0.03ずつ増えるから、2倍になるのは1/0.03=33.333... よりちょっと短い1ヶ月くらい!

 

というのがしばらく頭を捻った妻の回答。

僕「筋は悪く無いんだけど、これだと複利が全く考慮されてないから、成長率が大きくなったり、期間が長くなったりするほど正確じゃなくなる。1.03の30乗は2.4くらいになっちゃう。もうちょっと精度を上げてみよう。

 

r1日の成長率(上の例で言うと3%)、

初期値をA0(今日の息子)

n日後の状態をAn(例えばA2は二日後の息子)

としてみよう。


例えば四日後はどうなる?」


妻「それくらいならできそう。 えーっと、


二日後は A2 = A0 * (1+r)2 = A0 * (1 + 2r + r2) でしょ?

同じようにやると、三日目と四日目はこんな感じかな?

A3 = A0 * (1+r)3 = A0 * (1 + 3r + 3r2 + r3)

A4 = A0 * (1+r)4 = A0 * (1 + 4r + 6r2 + 4r3 +r4) 」


僕「ということは、n日後はどうなる?」

妻「むむむ。 それはわかりませぬ。」

僕「こんな感じになるよ。

An = A0 * (1+r)n = A0 * (1 + nC1r + nC2r2 + nC3r3 ..... ) 」


妻「うーん、はるか昔に見たような。。。なんでnC1とかになるんだっけ?」


僕「(1+r)nは、(1+r)(1+r)(1+r)... の、それぞれのカッコから、1かrを選んで掛けたものの全ての組み合わせになる。


例えば、nが3のときだったら、こんな感じ。

1*1*1

1*1*r

1*r*1

1*r*r

r*1*1

r*1*r

r*r*1

r*r*r

これを全部足すとさっきの1 + 3r + 3r2 + r3になるね。」


妻「ふむふむ」


僕「例えば1の項は毎回1を掛けたパターンしかないから一通り、

rの項は、n回のうち1回だけr、残りは1をかけるパターンだから、n通りある。


raの項は、n回のうちarを掛けるってことになるから、nCaだよ 」


妻「なーるほど」


僕「rが1に比べて小さいから、rの乗数が大きくなるほど項の値は小さくなる。

r2の項から先を全部無視すると最初の答えになるよ。

(1+r)n 1 + nr


今回はr2の項まで残してみると、

(1+r)n 1 + nr + (n(n-1)/2)r2

これが2倍になるnだから

A0 * (1 + nr + (n(n-1)/2)r2 )= 2A0

(n(n-1)/2)r2 + nr - 1 = 0

(n2-n)r2 + 2nr - 2 = 0

 

ここでr2nに比べて小さいから、簡単のために最初の-nの部分を無視するとこうなる。

n2r2 + 2nr - 2 = 0 」


妻「そろそろお風呂に入ってきてもよろしいでしょうか・・・」


僕「もうちょっとだけ!


2次方程式の解の公式よりrを解くと、

r = (-2n + √(4n2 + 8n2)) / 2n2

r = (-n + √(3n2)) / n2

r = (√3 - 1) / n

 

これをnの式に変形すると

n = (√3 - 1) / r 0.73/r


ということで、最初に戻ってr3%のときは24日くらいで倍になる!

実際に1.0324乗は2.03なので悪くない精度でしょ 」


妻「おぉ! rが変わっても同じ式が使えるのがすごい!」

 

僕「そう、実はこの考え方は経済の授業なんかでも出てきて、70の法則って言うんだよ。

「年率r%の複利で成長すると、元の2倍になるまでにかかる年数はだいたい(70/x)年」

てこと。例えば

  • 年率1%なら70年で倍
  • 年率2%なら35年で倍
  • 年率5%なら14年で倍
  • 年率7%なら10年で倍

といった感じ。利息の計算や、GDP成長を考えるときに便利。」


妻「へぇ。経済はよくわからないけど、70の法則は面白いね!」


僕「ちなみに参考までにザ・数学的な導出はもっとシンプルで以下のようになるよ。

 

(1+r)n = 2

n * ln(1+r) = ln2

n = ln2/ln(1+r)

 

rが小さいとき ln(1+r)r なので(テイラー展開)

ln2/r = 0.693.../r  70/(100*r)


でも直感的じゃないし、2の自然対数なんて普通知らないからさっきの方法の方がわかりやすいでしょ?」


妻「??? うん、それはいいや。。。」

 

ちなみにスペースの関係で端折ったけど、妻は算数を真面目に考えるのが久しぶりすぎて、

途中「解の公式、、久しぶり過ぎて忘れた!」「頭がオーバーヒートする!」などとてんやわんやでした。

おかげで図らずも子供に算数を教えるイメージトレーニングになったような。

 

でも確かに解の公式を始め、数学の公式なんて一部の職業以外だとほとんど使わないもんなー。

でもそれ以上に「古文・漢文」なんて、実用的にも教養的にも学校で勉強する意味合い小さいよなー。

などと思った週末でした。